視点を変える「リフレーミング」

皆様、こんにちは。
埼玉県北本市の就労移行支援事業所「てんとうむし北本」に通う利用者のTです。

前回、「確証バイアス」について書かせて頂いた者です。

現在、訓練の中で心理学の学習もさせて頂いています。
今日は「リフレーミング」に関して書きたいと思います。

リフレーミングとは、コミュニケーション心理学の用語で、物事や出来事、その状況等の枠組み(フレーム)を変えることを言います。
別の視点を持てるという特徴があり、考え方のテクニック、コツと言って良いかもしれません。

有名な話に、「コップに入った半分の水」があります。
「まだ半分もある」
「もう半分しかない」という2つの視点で表現すると、同じコップの水の量でも感じ方が異なります。

ネガティブと感じる事象も視点を変えることで、前向きな気持ち(ポジティブ)に変換することが出来れば、生きづらさの軽減や、周囲との円滑なコミュニケーションに貢献する可能性が十分に期待出来ます。

コップの例は一例であり、枠組みを変えるという思考は、人生の様々なシーンで応用可能です。
例えば、「相手の視点に立ってみる」というのもリフレーミングの一例です。
視点を変えることで、別の問題に気づく可能性があります。
リフレーミングという、「枠組みを変えて見直す」ことが、問題解決のきっかけになるかもしれない、ということです。

繰り返しになりますが、「思い込みや固定観念を別の視点から捉え直すことで、新しい見方を得る」という思考法となります。
リフレーミングにより物事を柔軟に捉えることで、行き詰まりを打開したり、問題を健康的なメカニズムに変えたりすることが期待出来ます。

似た用語として、ポジティブシンキングがあります。
ポジティブシンキングは、常に前向きな気持ちを保つ取組みです。

ポジティブシンキングでは、前向きな心は人生をより良くしていくという発想から、何事も前向き(ポジティブ)に捉えることに重点が置かれています。

それに対し、リフレーミングは同じ物事でも見方を変えることに重きを置いており、視点をどこに置くか、枠組みをどう見直すかということが重要となります。
リフレーミングを活用することで、一見ポジティブな良いことに思える出来事も、何かしらの問題があることに気づく場合も有り得ます。
発想の転換と考えると分かりやすいと思います。

つまり、何でもポジティブに捉えるのではなく、場合によってはその逆、ネガティブな側面に目を向けることもあるのが「リフレーミング」ということになります。

リフレーミングには、大きく二種類、「状況のリフレーミング」と「内容のリフレーミング」があります。

 ・状況のリフレーミングは、問題を捉える状況を別の視点から見ることで、その価値を変えるやり方です。

 ・内容のリフレーミングは、ネガティブだと思える事柄に対して、ポジティブな意味を見出してみるやり方です。

リフレーミングを意識することで、問題解決の選択肢が広がり、自力で対処できるようになり、悩みを克服できる、そして人間関係が良くなる等のメリットがあります。
また、ビジネスの場面でも活用され、新しい視点やアイデアを生み出すための有効な手法とされています。

具体的な方法としては、以下の通りです。

 ・言葉のリフレーミング
  ネガティブな言葉をポジティブな言葉に置き換えます。
  例えば、「暗い」を「物静か」、「騒がしい」を「賑やか」、「飽きっぽい」を「好奇心旺盛」などと言い換えます。

 ・時間軸のリフレーミング
  「あの時からすると」という視点で考え直します。
  過去の経験や現在の状況を考慮に入れ、未来の可能性を探ります。

 ・仮定のリフレーミング
  「もし~ならば」という視点で考えます。
  ある状況が変わった場合にどうなるかを想像し、新たな視点を見つけます。

 ・解体のリフレーミング
  問題を分解して考えます。
  大きな問題を小さな部分に分けて考えることで、解決策が見えてくることがあります。

 ・何を望むかのリフレーミング
  「自分はどうしたいのか?」と自問自答します。
  自分の本当に望むものは何かを明確にし、それに向かって行動することを考えます。

これらの手法を使うことで、物事の捉え方を変え、感情をコントロールすることが可能になります。

ただし、これらの手法は一度に全てを試すのではなく、一つずつ取り組んでみることをオススメします。

また、リフレーミングは継続的に行うことで効果が高まります。
失敗を反省し学びを得る、共感を大事にする、継続して活用するといった要点を意識してください。
これらを意識することで、リフレーミングの効果を最大限に引き出すことが出来ます。
リフレーミングは自己肯定感を高め、モチベーションを上げる効果もあると言われています。

皆様もリフレーミングを意識して行い、ネガティブと感じる事象に対応してみるのはいかがでしょうか。

それでは、今回はこの辺で。
皆様どうか良き一日をお過ごしください。