医療ドラマ「リエゾン」を見て・・・

皆さんこんにちは。就労移行支援事業所「てんとうむし北本」の利用者で
ASD(発達障害)当事者のR.Eと申します。

突然ですが、1月20日(金)から「リエゾン こどものこころ診療所」
というテレビドラマがスタートしました。普段はほとんどテレビドラマ
を見ませんが、主演の山﨑育三郎の役設定がADHD(発達障害)を持っていて
児童精神科医という宣伝を見て興味が沸き、見てみようと思いました。

現時点で、第三話まで放送されたと思います。一応毎週録画はしている
のですが、私は昨日やっと第一話を見終えたところです。
ASDの当事者として、このドラマを見た感想を書いてみようと思います。

まず良かった点としては、山崎育三郎演じる佐山卓が、子供を病院に連れてきた
親御さんに対してADHDの説明をするシーンがあるのですが、その説明が丁寧で
精神疾患の予備知識がなくても内容が分かることだと思います。
また、説明の中でADHDは親の躾や教育が原因ではないときちんと言っているので
これを見た人が、落ち着きのない子供を見た時に「あれは親の躾が悪いからだ」
といった決めつけが社会の中で減るのではないかと思います。(とは言え、公共
の場所で子供が騒いだり、走り回ったりしても母親が化粧をしていたり、スマホ
の画面を見て、子供を全く見てなかったりして、全てにおいてこれが当てはまる
とは限りませんが・・・)

もう一つは、発達障害を持つ子供を育てる母親の目線が描かれているのが良かった
と思います。定型発達(発達障害でない)の子供とは違った感覚や言葉の受け止め
方をする発達障害の子供を育てることの大変さ、苦悩などが伝わってきました。

逆に、ここは賛否が分かれるのではないかというシーンもありました。
それはASDがある子供が、絵を描くのが好きでプロの画家並みの絵を描いて
精神科のスタッフや母親、他の患者さんなどが「凄いね。上手だね。」と誉める
シーンです。
ドラマの中ではその子は常に絵を描いていました。
なぜ賛否が分かれるのではないかと思ったかというと、発達障害を持つ人は他の
大勢の人が出来ないことがあるけれども、その一方で代わりに特別な才能を
持っているのではないかというメッセージが意図しなくとも伝わり、過度の
期待(悪くいえばプレッシャーを与えてしまう)を親が子に持ってしまう
可能性があると思ったからです。

社会の中で特別な活躍をしている著名人が、「実は自分は発達障害だった」という告白
は何例もありますが、発達障害を持っているから特別な才能があるのではなく
特別な才能はもともと持っていて、たまたま発達障害だったということだと私は思い
ます。

発達障害は一見して困りごとが無いように見える人が多いと思います。しかし、そもそも
脳神経の配線の違いや脳機能に偏りがあるので目で見てる現実世界と脳内でイメージしている世界の認識に
大きなズレがあります。そのずれが大きいのでストレスを感じやすいです。
私は発達障害の当事者会にも参加したりしていますが、やはりみんなそれぞれ生きづらさをかかえて
いるんだなと感じます。また発達障害といっても症状や程度が人それぞれ違って、日常生活への
支障の程度も違うので簡単に一括りに出来ないのでなかなか理解されづらい部分もあるのだと思います。

以上、 医療ドラマ「リエゾン」を見て、私見を書いてみました。
参考になるところがあれば幸いです。