どのように言語は人の考え方を左右させるか?

皆様こんにちは。就労移行支援事業所、てんとうむし北本
利用者で発達障害(ASD)当事者のR.Eと申します。

突然ですがみなさんはTEDをご存知でしょうか?
TEDは(Technology Entertainment Design)の略で世界中の様々な
講演会を開催・配信している非営利団体です。
TEDは毎年、カナダのバンクーバーで5日間イベントを開催しており
出演者は心理学、哲学、経済学、社会学、政治学などの専門家
たちで、約70人が5日間に渡って講演を行います。
その様子の一部はYou Tube上でも公開しており私たちも見ることが出来ます。
その中でも特に私が面白いと思った講演がありましたので
こちらで紹介させていただこうと思います。

タイトルにも書きましたが「どのように言語は人の考え方を左右させるか?」
というタイトルで、カリフォルニア大学サンディエゴ校の准教授、レラ・ボロディツキー氏
(以下准教授と記します。)がスピーチをしました。内容を一部抜粋させて頂きます。

准教授によれば、講演時点での主要な言語(英語など)や一部の民族のみが使う言語
も数えればその数は7千ほどあるそうです。

准教授は言語が人々の認知力に影響を及ぼす例の一つとして、オーストラリアのアボリジニ
の言語を例に出して話していました。アボリジニの方たちの言葉の中には日本語で言う「右」や「左」
英語で言う「right」「left」にあたる言葉は存在しないそうです。では彼らはどうしているのか?
あらゆることに対して「方角」を使っているそうです。例えば、「あなたの脚の西南西が汚れているよ」
とか、「どちらに行くのですか?」と聞くと「私は北北東に向かいます。あなたは?」のような会話
になるそうです。

この例から分かる事は、生物学的な面で、方角に対する認知能力は人間は動物に劣ると言われていた
のですが、言語や文化がそれを求めるなら、人間も方角に対しての認知能力が動物並みに高くなるという
ことです。

他にもロシア語と英語を比較した時には色に関する語彙量に差があり、それぞれの言語を主に使っている
人々を比べると、視覚的な世界に違いがあることが分かったそうです。

准教授は、「7千の言語があるということは、認知的な宇宙が7千存在するということです。しかし、今後100年で半分の
言語が失われると言われています。また、現在の人間の脳や心についての知見の多くが英語話者のアメリカ人
学部生被験者にした研究に基づいていることを考えると、人類のほとんどが研究対象から除外されています。
つまり、人間の心について分かっていることは実のところ非常に狭く偏ったものであり、科学はもっといい
仕事をする必要がある」と述べています。

話が変わりますが、以前日本の精神科医の先生が精神医学が一番進んでいるのはアメリカだと言っていました。
私が調べた限り、例えば認知行動療法はアメリカの精神科医、アーロン・ベックが開発した治療法で、日本で行われている
ものもそれを輸入したものだと思います。おそらく日本人向けにリデザインされてはいると思いますが実際には
そこまで調査していないので分かりません。
そうすると、日本は精神医学が遅れているので、日本にある〇〇療法というものはほとんどが海外から輸入
されたものだと思うので果たして日本人に効果があるかは分からないのではないか、というのが私の感想です。

もし上記の准教授のスピーチに興味を持たれましたらYou Tubeで「どのように言語は人の考え方を左右させるか? TED」
と検索してみて下さい。興味深い講演会を視聴することが出来ます。

最後までお読みいただきありがとうございました。