不眠症とは?

 ストレスの多い現代社会において、睡眠に係る何らかの問題を、日本人の5人に1人が抱えていると言われています。

 厚生労働省の資料には以下のようにあります。

 不眠症とは、入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気です。不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・クスリの副作用などさまざまで、原因に応じた対処が必要です。不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。

厚生労働省

 ここからも分かる通り、前日の睡眠が十分でない場合、次の日の日中に不調が表れ、学業や仕事に支障が出てしまうこともあります。言うまでもないことですが、人間に関わらず動物には睡眠が必要不可欠です。脳の休養である睡眠を十分に摂れなかった場合、様々な病気のリスクが高まってしまったり、現在抱えている症状の悪化に繋がります。

 引用資料の通り、寝つきが悪いだけが不眠症ではなく、中途覚醒(=何度も目が覚める)、早期覚醒(=早く目が覚める)、熟眠障害(寝た気がしない)といった睡眠にまつわる問題全般を含むのが「不眠症」です。
 このような症状が、1ヶ月以上続いた場合、医療機関を受診することをお勧めします。

 不眠症は、風邪のように一つの病気ではありません。
 大部分の不眠症には、それぞれの原因があり、原因によって対処法も異なります。

 不眠症の原因として、以下のようなものが考えられています。

環境に問題がある時差がある場所、枕が変わる、また暑さや騒音、明るさなどの影響など
心理的なもの悩みやイライラ、極度の緊張からの精神的ストレス、睡眠に対するこだわりなど
身体的なもの年齢、性差、頻尿、痛み、かゆみなど
生活習慣に問題があるアルコール、ニコチン、カフェインの摂取、薬の副作用、運動不足など

薬物療法が中心

 不眠症の治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。

 睡眠薬は一度使い始めると手放せなくなり、次第に量が増えていくので副作用が怖い。

 そういうイメージが多いようですが、最近の睡眠薬にはそういう心配はありません。

 かつての治療に使われていた睡眠薬は効果が強力な反面、副作用も強く安全性に問題がありました。しかし、現在広く使われている睡眠薬は不安や緊張・興奮をやわらげて眠りに導くので自然に近い眠りが得られ、副作用も少なく安心して使用出来ます。
 ただし、長期に渡ってダラダラと使い続けるのは良くありません。

 医師の指導の元に適切に使用することが大前提です。

 また、最近では、ドラッグストアで購入出来る市販の睡眠薬が売られています。
 これはアレルギー薬の副作用(眠気)を利用したもので、あくまでも短期間の使用に限られています。
 不眠症に対する治療効果は確かめられていませんので、不眠症の方はこれら市販の睡眠薬を長期に用いないようにしましょう。

まずは医師へ相談

 大切なのは眠れないことを一人で考え込まないことです。

 その心配する気持ちそのものが、不眠を悪化させるだけではなく、こころ(うつなど)や体(ストレス性疾患など)に悪影響を与えてしまう場合があります。(不眠恐怖)

 どうしても不眠が治らないという場合には、専門医に相談をした方が良いかと思われます。

 不眠症は精神科や心療内科で扱います。
 精神科へ行くのは気が重いという方は、まずかかりつけ医に相談してみると良いかと思います。
 病院を受診して不眠について相談するだけでも不眠恐怖は和らぎます。

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