発達障害(神経発達症)のグレーゾーンとは?

 発達障害(神経発達症)と思われる症状がある方が医療機関を受診した際に、「発達障害(神経発達症)」との診断がつく場合とつかない場合があります。

 俗に「グレーゾーン」と呼ばれるのが後者の診断がつかないパターンです。

 「グレーゾーン」とは、発達障害(神経発達症)の症状が幾つか当てはまるものの、診断基準を全て満たすわけではないため、医師が発達障害(神経発達症)との確定診断をつけることが難しい状態のことです。また、「自分は発達障害(神経発達症)かもしれない」と思いつつ、医療機関は受診しておらず、自己判断で「自分はグレーゾーンだ」と認識しているというケースもあるようです。

 発達障害(神経発達症)のある方の状態にはある程度の幅があり、グレーゾーンにいる方も同じで、様々な状態の方がいます。

「グレーゾーン」は正式な診断名ではありません

 そのため、例えば発達障害(神経発達症)の一つの例である「注意欠如・多動性障害(ADHD)」の傾向がある場合は、「診断基準は満たしませんが、ADHDの傾向が認められます」などという形で医師に伝えられることもあります。

 ちなみに、発達障害(神経発達症)の診断基準を全て満たさないからといって、「グレーゾーンにいる方は症状が軽い」とは限りません。
 「グレーゾーンの方は症状が軽い」というのは誤解であり、大きな間違いです。ご注意ください。

 繰り返しになりますが、「グレーゾーン」とは、「症状が軽い状態」を指す言葉ではありません。
 発達障害(神経発達症)の特性が幾つか認められるものの、診断基準を全て満たしているわけではないため、発達障害(神経発達症)との確定診断をつけることができない状態のことです。

グレーゾーンにいる方も症状への対処が大切

 「グレーゾーン」にいる方は診断がついていないために、症状や特性から困りごとが起こった際、周りの人から「努力不足」などと誤解されてしまうことが多々あります。その結果、ご自身を責めてしまうことが続くと、ストレスなどから徐々に調子を崩して症状が悪化していき、やがて「診断域」の側に完全に移ってしまった結果、発達障害(神経発達症)だけに限らず、うつ病や適応障害なども発症してしまうことがあります。

 以上の理由から、「グレーゾーン」にいる方も発達障害(神経発達症)のある方と同じように、特性に適切に対処して調子の良い状態を保つことが大切だと言われています。「グレーゾーン」に関しても周囲の無理解が最大の敵と言えると思います。

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