うつ病とは?

 私達は誰でも、調子の良い時、悪い時、元気の良い時、元気が出ない時、何事も上手くいく時、上手くいかない時があります。そして、それに伴う気分の上がり下がり、浮き沈みがあるものです。「うつ病」はこの気分が沈み込んだ状態のまま、いつまでも浮上して来ない、回復しない場合に、疑われる「気分障害」のことです。

 うつ病とまでいかなくても、誰であっても落ち込むことはあります。
 しかし、通常であれば、数日落ち込んだ後に自然とや、何かのキッカケで回復することが多いです。

 うつ病まではいかないまでも、ひどく落ち込む状態を「抑うつ状態」或いは「抑うつ症状」と言いますが、あまりにもヒドイとうつ病の一歩手前かもしれません。早期の受診をオススメします。
 日常生活で使うことが多い、「うつ状態」という言葉は、精神医学の世界では「抑うつ状態」という用語に変わることが多いようです。

 うつ病との違い、うつ病までへの経緯を以下にまとめました。

  • 抑うつ気分:「憂うつである」「気分が落ち込んでいる」などと表現される症状です。
  • 抑うつ状態:抑うつ気分が強い状態です。
  • うつ病  :抑うつ状態がある程度以上、重症である時に診断されます。

 もし気分の落ち込みが長く続いていると思われた場合は、医療機関の受診を真剣に検討してください。

うつ状態で見られる症状

 うつ病になると、大きく分けて、感情、思考、意欲など心の中の「精神症状」と、体に現れる「身体症状」の症状が現れると言われています。

  1. 自分で感じる症状
    憂うつ、気分が重い、気分が沈む、悲しい、不安である、イライラする、元気がない、集中力がない、好きなこともやりたくない、細かいことが気になる、悪いことをしたように感じて自分を責める、物事を悪い方へ考える、死にたくなる、眠れない
  2. 周囲から見てわかる症状
    表情が暗い、涙もろい、反応が遅い、落ち着かない、飲酒量が増える
  3. 体に出る症状
    食欲がない、体がだるい、疲れやすい、性欲がない、頭痛、肩こり、動悸、胃の不快感、便秘がち、めまい、口が渇く

うつ病の主な治療法

  • 休養
  • 薬物療法
  • 精神療法(認知行動療法、対人関係療法など)

15人に1人がうつ病経験者!?

 うつ病を患った方の多くが、「どうして私だけがこんなツライ目に…」と考えてしまいます。
 実は、うつ病というのは「心の風邪」と呼ばれることもあるほどに、とてもありふれた病気なのです。

 近年の調査では、男性で4.2%、女性で8.3%の人がうつ病にかかったことがあることが分かっています。15人に1人はうつ病の経験があることになります。決して珍しい病気ではなく、誰にでも起こりえる病気なのです。

 もし貴方がうつ病だった場合、うつ病になってしまった貴方が悪いわけではありません。
 何も後ろめたく感じることはないので、速やかに専門の医療機関を受診しましょう。

うつ病になりやすい性格がある!?

 うつ病は、誰にでもなりえる病気と解説しましたが、実はなりやすい傾向があることも分かっています。
(誰にでもなりえることに変わりは無いです)

 分析によると、うつ病には「なりやすい性格」というものがあると言われています。
 それは、社交的である、まじめで几帳面、責任感が強い、仕事熱心でやり始めたら徹底的にする、等の特徴と言われています。これらは普通に見ても、決して悪い性格ではなく、むしろ対人関係でも、また仕事においても、望ましい性格と言って良いでしょう。
 ですが、忙しすぎたり、プレッシャーがかかったりといった切羽詰まった高負荷の状況が続くと、柔軟に考えることが出来ず、ついつい頑張り過ぎてエネルギーを使い果たし、疲れ果ててしまい、うつ状態に陥ってしまいがちなのだそうです。

 この性格の部分に当てはまり、気分の落ち込みが長く続いていた場合、うつ病のサインかもしれません。
 一度、専門の医師(精神科、心療内科など)に診て頂くことをオススメします。

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