実りある休日!!

みなさんこんにちは。
埼玉県北本市の「障がい者福祉施設」
就職・再就職をサポートする
「就労移行支援事業所 てんとうむし北本」
スタッフの原です。

先日お休みらしい休日を過ごしました。
いつも、なんとなく近所で過ごしてしまう休日ですが、
この日は上野動物園に行ってきました。
秋晴れの良い日でした。今は事前にネットで予約をしないと入れないため
人数も少なくソーシャルディスタンスを十分に保って、散策することが出来ました。

どの動物たちものびのびとしていて、秋晴れの平日をのんびり過ごしている、そんな感じでした。
目当てのパンダやガラパコスリクガメも見ることが出来ました。

何よりどの動物も皮膚炎などなく毛並み・毛艶もよく手入れが施されているのがわかります。
餌の与え方にも工夫があり必死に転がしたり砕いたりして食べていました。
柵の中も、より自然に過ごせるように作られています。
柵の向きにも工夫があり、互いの動物がストレスを受けないような配慮もありました。

私は、以前読んだ記事を思い出しました。

元上野動物園園長、中川志郎氏のお話でした。この方は長年、
野生動物のえさの改良を研究されている方でした。
ある時、すべての条件を満たせる理想的な飼料の開発に成功し、死亡率は下がり繁殖率は上がり
表彰もされたようです。
しかし、動物たちに予想できなかった変化が起こりました。

その変化とは、ゴリラが遠くを見つめ自分の毛を一本一本むしったり、
他の動物にもぐるぐる歩き回るだけのモノトーン行動や吠え続けるといった症例が、
飼料を食べた他の動物園でも起こっていたそうです。検討した結果心の病だとわかったそうです。
なぜ心の病になってしまったのか。栄養的にもパーフェクトの飼料のはずなのに・・

この謎が判明するまで、なんと‼10年の年月がかかったそうです。
餌の改良前には食材をそのまま与えていたためバナナの皮をむく、
パイナップルを壊して食べる、仲間と分け合ったり奪ったり、砕いたり・・
口に入るまでにいくつものプロセスを経ていたのが、
パーフェクトな飼料はすべて省略してしまった結果だという結論にたどり着いたそうです。

「われわれ人間も同様、決して省略してはいけない過程があります」と結んでいました。
そして「言葉が使える我々は自分の気持ちが言える、伝える訓練を日常会話の中で培う必要がある」と付け加えていました。
私は、「配慮すること」と「省略してはいけない過程(伝えること)」のバランスが大切だと感じました。

完璧を求めず過程も楽しむ。たかが食事でも・・ましてや人との関わりならなおの事。

回り道でも丁寧に人と関わっていくこと、伝えていくことの大切さを思い出させてくれた上野動物園での休日でした。