人は今とは違う自分になれる!

皆さん、こんにちは!
障がいをお持ちの方の就労を支援する事業所「てんとうむし北本」スタッフの渡辺です。
皆さんは、アドラー心理学についてご存じでしょうか?
本日はアドラー心理学について語っていきたいと思いますので、お付き合いくださいね!

2013年に岸見一郎氏と古賀史健氏の共著によるアドラー心理学を解説した「嫌われる勇気」が初出版され、
2015年に同書がベストセラーとなり、2017年にテレビドラマ化されたのでご存じの方も多いのではないでしょうか。
私も当時ベストセラー本ということで、amazonで購入して一読しました!

アドラー心理学は、フロイトとユングと並んで精神医学および心理学の世界における三大巨匠とされる
アルフレッド・アドラーによって創始された理論のひとつです。
アドラー心理学の理論の特徴は、「目的論」を基礎にしていることです。
フロイトやユングの理論が、特定の原因によってその人の人格や行動が決定されるとする
「原因論」を基礎としているのに対し、アドラーの理論では、「人は目的のもとに生きている」
という思想が根底にあり、その目的を達成するためにその人の心理が形成されると考えました。
例えば、ある女性が新しい恋愛に踏み出すことができないといった場合に、「過去の失恋(原因)が
トラウマになって恋愛ができない」とするのが原因論。一方、「また失恋するのが怖くて新しい恋愛
に踏み出さないようにするために、過去の出来事をトラウマにして負の感情を作り出している」
とするのが目的論。
つまり、原因論の立場では、「過去の体験によって現在の自分が存在するということになり、
自分の人生は過去の体験によって決定づけられてしまい、また未来も過去の体験によって運命づけ
られてしまう。」ということになりますが、目的論の立場では、「目的を達成するために過去の体験
をトラウマ化して感情を作り出すことによって、その体験に自ら意味づけをしているのであって、
目的を変えることが出来れば、過去の体験によって自分の人生を決定づけられることはない。
つまり、自分の辛い過去や不安に感じる未来は、目的次第でどうとでも変わる。」としているのです!
何となく希望が湧いてきませんか?

それでは「目的を変える」ためには、どうすればいいのか?
「自分は単独で存在しているのではなく、常に他者との関わりの中で存在している」という共同体感覚を意識したうえで、

第1に、「他者貢献」。
アドラー心理学では、「全ての人間が幸せだと感じる共通した瞬間」があり、それは「自分が他人に貢献できていると
感じられたとき」であり、そのときに人は「自分の存在価値を実感し、最も質の高い幸福感を得ることができる」と
しています。ただし他者への貢献を実践する際には、承認欲求にとらわれてはならないとしています。
承認欲求とは「他者の評価(褒められたい)」を求めることであり、評価する側とされる側の縦の関係性が生まれ、
評価を得ることは相手次第ということになってしまうため、大切なのは横の関係性の構築であるとしています。
横の関係性から生まれるのは、「感謝」であり、「尊敬」であり、「喜び」であるとしています。

第2に、「他者信頼」。
アドラー心理学では、他者を無条件で信頼し、受け入れられるようになると、自然と共同体意識が芽生え、
「他者貢献」がしやすくなるとしています。

第3は、「自己受容」。
アドラー心理学では、ありのままの自分を無条件に受け入れ、向上を目指すものとしています。
気を付けなければならないのは、「自己受容」に似た言葉で「自己肯定」がありますが、この2つは違うということ。
自己受容とは、「できない自分」をありのままに受け入れ、できるようになるために努力するということ。
自己肯定とは、自分のありのままの自分を否定して、向上を目指すもので、「できない自分」を「自分はできる」として、
自分を偽ることにつながるとしています。
自己受容できるようになると、他者への関心が強くなり、やはり「他者貢献」がしやすくなるとしています。

この3つを実践するのは、なかなか難しいことではありますが、実践することができれば、本日のお題である
「人は今とは違う自分になれる!」のではないでしょうか!
「嫌われる勇気」をまだ読んでいない方は、是非ご一読を!

本日もご覧いただきありがとうございました!