アドラー心理学を参考にした心理学のお話 第22回
こんにちは。
埼玉県北本市で障がいをお持ちの方の就労を支援する福祉施設
「てんとうむし北本」の桜井です。
10月に入り、一気に秋らしくなってきましたね。
来所する利用者さんからは「コスモスが咲いてたよ。」といった
話も聞くようになりました。
そんな四季の変化に目が向けられるような心の余裕を持って
日々を過ごしていきたいですね。
さて、今回はライフスタイルの遺伝的な影響についてお話しします。
影響の要因として最初に思いつくのが遺伝だと思います。
しかし、実際のところ、遺伝がどの程度ライフスタイルに影響を及ぼすかは、
はっきりとはわかっていません。
親の顔に子どもの顔が似るように、
親のライフスタイルに子どものライフスタイルが似ることはあると思います。
一体どの部分がどの程度似ているのかははっきりとはわかりません。
なぜかというと、育児の影響と遺伝の影響とを厳密に区別できないからです。
もし次のような実験ができるのであれば、ある程度区別できるかもしれません。
一卵性双生児を生まれてすぐに両親から引き離します。
その後、その人たちが大人になった時点で、
二人のライフスタイルの相違点について検証する。
しかし、こんなことが人道的に許されるはずがありませんよね。
また、共通のライフスタイルがあったとしても、
育った環境に文化的な共通点があれば、それによる影響も考えられますよね。
これらのことからも「遺伝がライフスタイルに影響する」ということについて
私たちは科学的な根拠を十分には持ち合わせていないと言えます。
確かに現在は、遺伝子の解析がかなり進んでおり、
ある行動パターンにはある遺伝子が関わっているという話も聞きます。
しかし、それが具体的にどんなことかははっきりわかっていないようです。
となると、遺伝的な要因はあるかもしれないが
それが何であるか、はっきりとはわからないと
考えておくことがよいのかもしれません。
次回は、「知能は遺伝するのか」ということについてお話ししたいと思います。