ASD/ADHD/LD以外の発達障害について

その他の発達障害(神経発達症)の具体例

1.発達性協調運動障害

 日常生活における協調運動が、年齢などに応じて期待される水準と比較して、不正確、時間がかかる、ぎこちないなど、いわゆる「不器用」といわれる状態です。
 知的発達に遅れはなく、筋肉や神経、視覚・聴覚などに明らかな異常も認められない場合に診断されることがあります。
 協調運動とは、見る、触った感じ、体の姿勢、手足の動きなどの感覚をまとめ上げた滑らかな運動です。
 このようなまとまりのある滑らかな体の動きは、日常生活動作、(食事、着替えなど)、手作業、運動バランスや姿勢保持、学習の効率など、生活の質を保つために重要です。

2.吃音[症]

 吃音(Stuttering)とは、一般的には「どもる」といわれる話し方の障害です。
 滑らかに話すことが年齢や言語能力に比べて困難な状態で、以下に示すような特徴的な症状がある場合を言います。
①反復(単音や単語の一部を繰り返す)(例:「き、き、き、きのう」)
②引き伸ばし(単語の一部を長くのばす)(例:「きーーのうね」) 
③ブロック(単語の出始めなどでつまる)(例:「・・・・・っきのう」)
 症状は幼児期に出始めることがほとんどですが、中には思春期頃から目立つようになる人もいます。
 幼児期からどもりはじめた人の過半数は、学童期あるいは成人するまでに症状が消失したり軽くなりますが、成人後も持続する場合があります。

3.トゥレット症候群

 トゥレット症候群(TS:Tourette's Syndrome)は、多種類の運動チックと1つ以上の音声チックが1年以上続く場合に診断されます。
 このような運動や発声を行いたいと思っているわけではないのに行ってしまうということがチックの特徴です。
 通常は幼児・児童・思春期に発症します。
 多くの場合は成人するまでに軽快する方向に向かうと言われています。

①運動チックとは
 突然に起こる素早い運動の繰り返しです。
 目をパチパチさせる、顔をクシャッとしかめる、首を振る、肩をすくめるなどが比較的よく見られ、時には全身をビクンとさせたり飛び跳ねたりすることもあります。

②音声チックとは
 運動チックと同様の特徴を持ち、発声に特徴があります。
 コンコン咳をする、咳払い、鼻鳴らしなどが比較的よく見られ、時には奇声を発する、さらには不適切な言葉を口走る(汚言症:コプロラリア)こともあります。

まとめ

 これらの障害は個々の人によって異なり、同じ診断を受けていても症状の程度や影響が異なることがあります。
 また、他の発達障害や健康問題との併存も珍しくありません。
 お一人ひとりに合わせた適切なサポートが重要となります。
 この記事が、その他の主な発達障害ついての理解を深める一助となれば幸いです。

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