七度目の「てんとうむし」ブログ。

てんとうむし北本に
お世話になっております利用者です。
なんと、今回で七度目を迎えることとなりました。
そろそろ最後のブログを
書く時が来ることになります。
もしかしたら、これが最後かもしれません。

今回は、ある人から聞かせていただいたお話しを
書かせていただきます。

「姿を変えた、小さな天使」の話しです。

今年の二回目の雪の日
二月の一日のことです。
そんな寒い雪の日に
姿を犬に変えた小さな天使が
庭で震えていたそうです。

姿を変えた天使の姿は
ミニチュア・ピンシャー。小型犬です。
雌だそうです。
細くて長い脚と断尾された尾が特徴です。
短毛のシングルコートで寒さと暑さは
苦手です。

一般的には耳は断耳され
ピンと立っているのですが
断耳はされていないそうです。
それが女っ子っぽい感じで
なかなかかわいいそうです。

あまりの寒さに庭で丸まって
震える姿を見兼ねたご主人が
警察、役所へ確認したところ
遺失届けも登録もなく
「死んでしまう」
そう思ったご主人は
預かることにしたそうです。

それでも天使は警戒心が強く
怖かったのでしょう。
「ウーッ」と唸り
ご主人は何度か、噛まれたそうです。

それでも部屋に連れ込み
強引に寝具の中に押し込み
抱いて寝たそうです。
そして衰弱した天使は三、四日
眠り続けていたようで
暖房全開の部屋の中でも
ずっと震え続けていたそうです。

少し体が回復した天使は
立ち上がることが出来たそうです。
でも暖かい部屋の中でも
震えは止まらず
歩くことは出来ず、お座りさえも
フニャッと前に倒れたそうです。

これは同居二日目だそうです。
まだ怯えています。

初めての外での散歩では
寒いこともあってか
50メールも歩くことも
出来なかったそうです。
脳性麻痺ではないかと
そんな不安も抱えたそうです。

この天使のご主人は、治らない病気の
難病で歩行が困難だと聞いています。

それで、ご主人は
「ヤバいの拾ったな。
病気はオレだけでいいよ」
「お金も掛かるよ」
そう思ったそうです。
でも預かった責任と命の重さを感じ
「歩行のリハビリ相手になるだろう」
そう前向きに考えたそうです。

姿を変えた小さな天使は
ミニチュア・ピンシャー
ドイツ犬種です。
だから名前は、ドイツ語で
Reh(レー)と名付けたそうです。
分厚い胸に細くしまった胴。
それと細く長い脚。
例えるなら小さな鹿のようです。
Rehとはドイツ語で鹿です。

厳つい容姿のご主人には
かわいい人気犬種
トイプードルや
チワワ、ダックスは似合わなく
好みではないそうです。
まさに奇跡の出会いです。

ご主人は歩行困難ですが
自転車には乗れるそうです。
以前の様に走れなくなったそうですが。

だからRehをトートバッグに入れて
それをママチャリの籠に入れて
移動したそうです。

車の騒音など、大きな音に驚いて
籠から飛び出しそうになったことも
何度もあったそうです。

本来は荒い性格ですが
穏やかなRehは
ご主人が、よく行く飲食店
コンビニでは、
バッグに入れていれば入店可だそうです。
その理由は「かわいいから」だそうです
そのお陰で、ご主人が大切に使っていた
AIGLEのトートバッグはRehの物と
なってしまったそうです。

一つ問題がありました。
ご主人の家では
犬の室内飼いは禁止です。

それで、ご両親には内緒で
段ボールに入れて
一週間の同居です。
知人に話したところ
「お前は、小学生かよ」と
笑われたそうです。

一週間後、ケージが届き
その日に両親にバレたそうです。
もちろん。ご主人は
ご両親と揉めたそうですが
それでもルールを決めて
なんとか説得したようです。

Rehは吠えないそうです。
でもある日、ママチャリの籠で
「クンクン」と
鳴き「トイレかな」と
思い籠から出したそうです。

トイレを済ませたRehは、
ご主人の顔をじっと見ていたそうです。
「歩くか?」その言葉にRehは
前を向いて歩き出したそうです。

それから一カ月くらいで
籠のない自転車で
並走して、走るようになったそうです。
※これは違反です。

今では毎日、かなりの距離を
走るようになったそうです。
かわいい天使ではなく
小さな化け物のようです。
歩行のリハビリ相手だったはずが
体重が一キロも増えて
こんな姿になったそうです。
逞しいです。


ある日、ご主人が
一時停止無視の車を避けて
転倒されたそうです。
その時、左中指を脱臼し、肩や腕は
擦り傷だらけになり
指にはプレートがテープで
巻かれていたそうです。

それが夜中に目を覚ますと
テープが外れていたそうです。
「なぜしっかり巻かれたテープが?」
そう思ったそうです。

そしてその次の日の朝
右前腕の5ヘートルセンチ程の
カサブタはなくなったそうです。
「治ってしまった!?」
そう思うほど綺麗だったそうです。
それは「Rehが舐めたのだろう」と。
指のテープが外されていたのは
左中指に深い傷があって
それを舐めるために
外したのだろうと。

犬は傷口を舐めます。
それにしても気付かれずに
こんなことをするなんて
やはり天使です。

いつもご主人のために
一生懸命なのでしょう。
こんな写真見てください。

ご主人は「だらしない女だ」
そう思ったそうです。

でも、こんな奇跡の出会い。素敵です。
なかなか、あり得ないことです。

ご主人が思うことがあるそうです。
「Rehには、いつか、また羽が生えて
天使の姿になって、どこかへ
羽ばたいてしまうのだろう」
「同居は、あと十年くらいかな?」
そう思った、ご主人は
だから、その日を迎えるまでは
亢進する病気と向き合い
「絶対に負けない」
そう強く思ったそうです。

そんな奇跡の出会いに
「私も絶対に負けない、逃げない」と。
心に強い力を感じました。