長期就労に向けて、月次ストレスチェックシートを作った話

こんにちは、利用者の H. T. です。今回は、私がてんとうむし北本で行っている 長期就労に向けての取り組みのひとつとして 月次で実施するストレスチェックシート を作ったので、記事としてご紹介します。

1. はじめに

自分の働き方を見直すために

私が精神障害者として働いてきた中で、「長く働き続けること」は、労働者自身や企業側の課題等もあって、思っている以上に難しいことだと感じたことがありました。

そんな経験を踏まえ、今回 長期就労に向けて月次ストレスチェックシートを作るという取り組みを行いました。これは、厚生労働省が出している「職業性ストレス簡易調査票(簡略版)」をベースにしたもので、仕事の量や裁量、体調や気分、人間関係などを毎月振り返るためのものです。

2. 月次ストレスチェックシート

チェックシートで「見える化」することの意味

このストレスチェックシートには、以下のような項目があります。

  • 仕事量・裁量に関するストレス(例:仕事が多すぎる、自分のペースでできない)
  • 身体・精神状態に関するストレス(例:疲れやすい、気分が落ち込む、眠れない)
  • 人間関係・体制に関するストレス(例:上司や同僚と話しづらい、相談しづらい)

これらの項目は、厚労省の職業性ストレス簡易調査票をもとにしたものであり、内容に一定の妥当性があります。

それぞれの項目に対して、4段階(1.そうだ/2.まあそうだ/3.ややちがう/4.ちがう)で回答することで、自分の状態を「数値」として定量化できます。 このチェックシートをうまく活用することにより、以下のようなことが期待できます。

  • 企業や支援機関のヒアリングの負担軽減や、支援方針の決定に役立つ
  • 企業が実施するストレスチェック(法令により義務化されている)のノウハウを活用できる可能性
  • 自身の状態を定量化することにより、状態の推移や比較等が可能

支援機関と本シートを共有し、企業に提出する支援レポートの作成に活用することで、自身の状態を企業側に具体的に伝えやすくなり、より適切な配慮を得られる可能性が高まると考えています。

3. これを作ろうとした背景

精神障害者の就労における現実的な課題

精神障害者の就労には、いくつかの構造的な課題があります。

まず、障害者雇用促進法では障害者に対し「合理的配慮」が求められていますが、精神障害は見た目では分かりづらいため、企業側がどこまで配慮すればいいのか判断しにくいという問題があります。身体障害者の場合は設備や環境面での配慮が明確ですが、精神障害者の場合は一人ひとりの状態に応じた対応が必要で、企業側の負担も大きくなりがちです。また、そもそも雇用ノウハウが整っていない場合もあります。

さらに、企業側の適切な配慮が行われない結果、自身のキャリアの可能性を狭めてしまう可能性もあります。

自分を知り、伝える工夫をすること

だからこそ、自分の状態を客観的に把握し、支援機関と協力しながら企業と共有することが重要だと思います。 

  • 自分の状態の変化を定期的に振り返る
  • 支援機関と連携して、企業に伝える情報を整理する
  • 企業側の負担を減らしつつ、必要な配慮を受けられるようにする

自分の状態を整理して伝えることで、企業側も「何に配慮すればいいのか」が分かりやすくなりますし、効果的な配慮等してもらえる可能性が高まります。

そして何より、自分を知り、企業に伝える工夫をすることで、働きやすい環境を主体的に作っていくことができると思います。

4. おわりに

精神障害者が長く働き続けるためには、企業の努力だけでなく、労働者自身のセルフケアと、支援機関との協働が欠かせません。 月次ストレスチェックという小さな取り組みからでも、自分の働き方を見直し、企業との関係をより良くしていくことは可能です。これからも、自分らしく働き続けるための方法を模索していきたいと思います。

参考