六度目の「てんとうむし」ブログ。

てんとうむし北本に、お世話になっています利用者です。
今回も「てんとうむし北本」のイベントについて
書かせていただきます。

五月五日の「こどもの日」のイベントについてです。
でも子供はいません。だから大人だらけの、こどもの日。
「水餃子と中華風にゅう麺を食べよう」です。

長岩代表から「五月五日に水餃子を作ってくれないかな」と、
そんなご依頼をいただき、喜んで引き受けることになりました。

中華風にゅう麺は、出来るだけ変わったもの、普段食べないものが
いいと思い考案しました。たぶん、私が「てんとうむし北本」を
卒業した頃に「冷やし中華を食べるだろう」そう思って中華麺は
辞めてにゅう麺にしました。

さて「てんとうむし食堂」オープンです。
まずはイベントチラシの作成からです。
それと、私はいつも、簡単に企画書、レシピを作成します。

予算、メンバー、時間、材料、買い出し食材、調理器具等です。
オープン前日の午前に買い出しです。
買い出しには、戸上さんと私。そして今回は

以前のイベントで、根気よく一生懸命に海苔を細く刻んでくれた
女性利用者さんの三名です。

レシピの提案では、18名分で、予算は〇千円程と決めていました。
まずは野菜。思ったよりも安く思えました。そして調味料までは
残額は余裕でした。豚挽肉、鶏挽肉と順調です。

最後に鶏手羽。これが問題でした。国産で立派な物しかないのです。
ブラジル産でも、冷凍でも、安い物でもよかったのです。
予算以内に収まれば。今回も戸上さんと悩みました。

私は「今いくらですか?」「もうすぐ〇千円です」と、戸上さん。
「二千円オーバーはヤバいですね」
「大丈夫ではないですか。〇千円預かっていますよ」と、戸上さん。

私は「では買いましょう。代表に謝ります」
そんな思い切った決断でした。
一般企業では減給ですかね。

そして買い物を手伝ったてくれた女性利用者さん。
実はこの日は誕生日です。私とは親子くらい歳が離れた利用者さんです。
だから、お祝いとお礼の気持ちを込めて「誕生日おめでとう。重い荷物を
持ってくれてありがとう」

その言葉に、ニコニコの笑顔で「ありがとございます」
私も、その言葉に嬉しくて「ありがとう」です。

てんとうむし北本に戻り、まずは代表に
「申し訳ありません。二千円オーバーです。
国産の立派なものしかなくて」

それでも代表は、ニッコリ笑って「寂しいよりそれでいいよ」
いつも楽しむことに一生懸命な長岩代表からの、
そんな優しいお言葉でした。

午後にはスポーツイベントで、他の利用者さんがいなくなり、
静かな施設内で、立派な手羽先の下処理をしました。
数は40個。料理人時代はサッと終わっていたでしょう。

でも今の私の手ではそうは行きません。
工夫しながらなんとか終わらせました。
そして、その時、気が付きました。長ネギの買い忘れです。

そんな訳で、二度目の買い出しです。
近くの八百屋さんで調達しました。
こんなことはよくあることです。

五月五日の当日、てんとうむし北本に到着すると
18名分の食材を用意しましたが、参加者は、スタッフの方を含め、
三分の一の12名。施設内は平日よりも静かで嫌な予感がしました。

それでも、私はすぐに鍋に水と鶏ガラを入れて準備に取り掛かりました。
選抜メンバーは、昨日買い出しを手伝ってくれた女性利用者。
それが残念ながら体調不良で休みです。

他の選抜メンバーは、前回、不慣れながらも、錦糸卵を焼いてくれた
女性利用者と、影の大黒柱的、最年長者の男性利用者さん。
料理が好きと聞いたことがあって選抜しました。

私は鍋の様子を見て、丹念に灰汁と余分な脂を取り除き、
指示をするだけでした。前回、不慣れながらも錦糸卵を焼いて
くれた女性利用者さんの包丁使いは不安でした。
「みじん切り?」「ブツ切り?」

でも、それでいいのです。「てんとうむし食堂」ですから。
やる気と根気、楽しく挑戦する気持ちさえあればそれでいいのです。
それなら私、料理長は失敗も大歓迎です。

私がまとめてしまいますから。
それと、影の大黒柱的、最年長者の男性利用者さんは、
十分なフォローをしてくださいました。
選抜してよかったです。

水餃子はニンニクを使わない、生姜風味強めのもの。
これは担当スタッフの方と好みが一致しました。
スープには薄目に味を付けています。

 

 

 

 

 

にゅう麺は、鶏手羽で出汁を取って、温かい中華風スープを作ります。
トッピングの鶏団子には、香味野菜をふんだん入れて香り豊かに。
鶏手羽は柔らかく、ホロホロになるはずです。最後に、スライスした
プチトマトと青ネギをパラパラ振り掛けて完成です。

 

 

 

 

 

「出来ました」その言葉に遠慮気味に動く利用者さん。
嫌な予感がしました。「だいぶ残してしまうかも」と。
餃子を各自で慣れない手つきで包ん茹でながら食べるので、
ペースが遅く、それが不安でした。
予算オーバーの責任も感じていました。

 

 

 

 

 

そんなスローペースながらも「お代わりください」と、
にゅう麺も少しずつ利用者のお腹の中へ消えて行きました。
にゅう麺はあと少し、そして二十四把、900gの素麺は消えました。

その頃「餃子の皮がありません」
餃子の皮は150枚用意したはずです。どうしましょう?

スープは少しだけ残っていました。だから「まだ、にゅう麺食べますか」
その言葉に大食感の男性利用者二名が手を挙げました。
素麺のパックから二把出して「これくらい食べますか」と聞くと、
二人は、口を揃えて「全部食べます」と。

その言葉に私は「えっ?食べられますか?」
二人は口を揃えて「食べます」と。
二人の表情には闘争心を感じる程でした。

茹で上がった素麺はザルのまま二人の利用者の前へ。
残った餃子の餡は小さなハンバーグの様にして残りのスープに入ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これも好評だったようで、スープも残らず全て完食でした。
二人のザルの素麺も驚きの完食。料理長としては嬉しい限りです。

「てんとうむし食堂」次のオープンはいつになるのでしょうか?
私が卒業しても、心温まる温かい食堂であることを願っています。